このプログラムは、インタラクティブメディア研究者・アーティストの筧康明先生を講師にお迎えして行われました。筧先生は、素材特性とデジタル技術を掛け合わせ、五感を刺激するインタラクティブメディアの開発において目覚ましい活躍を続け、国内外で注目を集めています。プログラムでは、物質の動的な変化を介したインタラクションについて基礎的/先端的事例を学ぶとともに、身の回りの素材から考えるフィジカルインターフェースや応用探索など実践的な取り組みを通して、その可能性について考え、演習を行いました。以下参加された方からコメントをいただきましたので、ぜひお読みください。
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多様なものや意見で溢れる世界を正しく認識するためにも、意識的に自分で観察することの重要性が高まっているのではないかー。
今回参加した筧先生によるプログラムは、そんなことを感じさせるものでした。
特に印象深かったのが、「身の回りの物理素材や現象から、5段階以上の輝度(階調) 変化を表せるものを見つけ、 各階調を表す状態の写真(1階調につき1枚)を撮影してくる」というもの。
結局、私は紅茶が煮出される過程を写真に撮り、階調の違いを「濃さ」から抽出したわけですが、他の参加者の方は、文字のウェイトを変えてみたり、ティッシュをくしゃっとしてみたり、指をうっ血させてみたり…と、本当に様々なトライをしていました。
同じ世界をどう見るか。観察とは手法よりも姿勢や体質のように思えてきます。
そして、「身の回りの」ものを観察することにも意味が込められているのかもしれません。
ついビジネスシーンにおいては、”新しい”ことが重視される傾向にありますが、(たとえ社会や暮らしにとって良い結果を生むはずのものでも)”新しい”ことによって受け入れられづらくなることもあります。
今回のプログラムでは、身の回りのものを観察することで、新しいのだけど理解しやすく受け入れやすい、マテリアルの知らなかった側面を認識することができました。
受け入れやすさと新しさを両立する、いわばConvivialな視点をインストールすることができたように思います。
これからも、そもそも身の回りにはどんなものがあるのか、そして、日常に溶け込みやすいものとはどんなものなのか、と問いつつ、世界を観察していきたいと思います。
岩佐 数音さん
Design Researcher, Strategist
<プログラム概要>
プログラムタイトル:Material Experience Design Workshop: デジタルに実体質感を与え、新たなインタラクションを創出する
講師:筧 康明(かけひ・やすあき)(インタラクティブメディア研究者、アーティスト。 東京大学大学院情報学環教授)
開催日時:2022年9月29日、18:00-21:00
形式:オンライン
内容:こちらをご覧ください。
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